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プラブ・スユドノの死
アスティノ国はパンダワによって取り戻された。プラブ・スユドノは恐れ、河口に身を隠した。しかし彼が隠れた場所は、パンダワの兵たちによって発見されてしまった。そしてプラブ・クレスノとプラブ・ユディスティロに報告されたのである。
彼らはすぐさまそこへ赴いた。そしてアスティノ王が水の中に隠れているのを見たのである。
ビモが地上に出てきて戦えと挑戦の叫びをあげる。戦に敗れた王が逃げ隠れするなど見苦しいとの言葉に、アスティノ王は水から出てきた。スリ・スユドノの身体も髪もずぶ濡れであった。
ずぶ濡れのプラブ・スユドノはプラブ・クレスノと面と向かった。スリ・クレスノはプラブ・スユドノにビモとの一騎打ちを提案した。
プラブ・スユドノは承知した。スリ・クレスノは、プラブ・スユドノに王の衣装とゴドを用意した。
とつぜんマドゥロ国王プラブ・ボロデウォが現れた。グロジョガン・セウの苦行所から戻ってきたばかりであった。プラブ・ボロデウォはスリ・クレスノの兄である。
プラブ・クレスノ、プラブ・ユディスティロ、パンダワ一族は拝跪し、無事の帰還を言祝いだ。プラブ・クレスノはバラタ・ユダの帰趨を報告し、バラタ・ユダの経過を見るにはもうすでにおそ過ぎたが、ビモとプラブ・スユドノの一騎打ちの立ち会いはできると話した。
プラブ・スユドノは、プラブ・ボロデウォの到来に心が明るくなった。彼は味方である。マドゥロ国はアスティノ側であり、プラブ・ボロデウォはアスティノの人々が誇る、偉大なる超能力の人なのだ。
スリ・スユドノは衣装を整え終えると、ゴドを受け取った。かくてビモとの一騎打ちが始まった、
両者とも力において互角、超能力において互角、体格も互角、激しい戦いとなった。アルジュノは兄が敗れるかもしれないと怖れた。スリ・スユドノは無傷であったからである。
アルジュノはスリ・クレスノに近づいた。スリ・クレスノが一言ささやく。アルジュノは離れた所からビモにウインクする。左の腿を叩きながら。兄ビモはそれを見て、スリ・スユドノの弱点が左腿であることを想起するのである。
ビモはその符牒を受け、示唆するところを理解した。スリ・スユドノは掴み掛かられる。敵に組み伏せられぬよう身を躱す。プラブ・スユドノは身を躱したところを、左腿にビモのゴドを叩き付けられる。サン・プラブは崩れ落ちる。続けてビモのゴドの攻撃を受けた。
ビモに髪を鷲掴みにされ、身体を蹴られた。彼の従兄弟はビモに容赦なく嬲られたのだ。
プラブ・ボロデウォは、これを見て激怒した。ビモが王の決闘の作法を無視し、無法を働いたと判断したからである。怒るプラブ・ボロデウォはヌンゴロを手に取る。すぐさまスリ・クレスノが割って入る。プラブ・クレスノは兄を説得するのである。
彼は言った。「兄王よ、ビモに怒りを向けてはなりません。スユドノのこの酷い死に様は、ブガワン・マントリヨの誓い、そしてデウィ・ドゥルパディの誓いによるものなのです。かつて彼はデウィ・ドゥルパディに無礼を働き、卑しめた。ビモはその報いを与えただけなのです。」
プラブ・ボロデウォは怒りをおさめた。かくて彼はアスティノ国にまずは迎え入れられたのである。
プラブ・ボロデウォが去った後も、ビモはスユドノを嬲り続けた。スユドノの全身は粉々になった。アスティノ王は死んだ。粉々になった身体から声が聞こえた。「俺はパンダワの頭を踏みつけるまで死なないぞ。」しかし、その声をビモは無視した。
プラブ・クレスノ、プラブ・ユディスティロそしてビモはすぐに幕舎に戻った。スリ・スユドノの遺体は置き去りにされたのであった。
プラブ・スユドノは、ドゥルユドノと呼ばれることが多い。若い頃の名はラデン・アルヨ・クルパティという。彼はプラブ・ダストロストロとその妃デウィ・グンダリの息子である。彼はかつて超能力の水、ミニャ・トロを浴びたことから、超能力を有していた。しかしそ左の腿だけ、その水を浴びていなかった。
妃はデウィ・バヌワティである。彼女はプラブ・サルヨの三女で、バヌワティとアルジュノは恋に落ちていた。
プラブ・クレスノとプラブ・ユディスティロは、まだアスティノ国に入ろうとしなかった。夜毎クルセトロの戦場の周囲を巡回し、警戒していた。森や山中も見て回った。一族と民の平穏のためである。
ドゥルノの息子アスウォトモは、森の中で苦行を続けており、アスティノ国王の死をまだ知らなかった。彼はスリ・サルヨと対立した際、プラブ・スユドノに退けられ、傷心していた。この今、カルトマルモから、プラブ・スユドノが行方不明になったことを知らされたのである。彼はカルトマルモ、クルポと共にすぐさまドゥルストジュムノとスリカンディの幕舎に侵入した。
二人のきょうだいは、アスウォトモに寝首をかかれ、死んだ。プラブ・ユディスティロの息子ポンチョウォロも、寝起きを襲われ運命を同じくした。彼も死んだのである。
アスウォトモは火の矢を放ち、パンダワ勢を多数犠牲にした。そして彼らは森に戻って行ったのである。
超能力の人、アルジュノの妻スリカンディの死は大いなる悲しみであった。彼女の死はバラタ・ユダが終わってからのものであり、熟睡している最中にアスウォトモに首をはねられたのだ。彼女はその超能力でルシ・ビスモを斃した。スリカンディはバラタ・ユダにおいて優れた戦士として尊崇されていた。
パンディト・ソゥルノを斃したスリカンデイの弟ラデン・ドゥルストジュムノも同様の運命をたどった。熟睡中にアスウォトモに首をはねられたのだ。アスウォトモはドゥルストジュムノに復讐を果たした。ソゥルストジュムノがパンディト・ドゥルノの首をはねたからである。この行為はパンダワからも非難された。パンディト・ドゥルノの首をはねたことは、パンダワ・コラワ双方の師であったこのパンディトを侮蔑する行為であると捉えられたのである。
プラブ・ユディスティロとデウィ・ドゥルパデイの息子ラデン・ポンチョウォロの運命も同じであった。彼はバラタ・ユダが終わった後、アスウォトモに殺されたのだ。母はひどく悲しんだ。
その時、プラブ・クレスノとプラブ・ユディスティロは外を巡回中であった。
巡回から戻ると、プラブ・クレスノとプラブ・ユディスティロは、スリカンディ、ドゥルストジュムノ、そしてポンチョウォロの死の知らせを聞いた。
スリ・クレスノはスリ・ユディスティロに涙を堪えるよう言った。すべては神の定めたことであると。
とつぜん、ブガワン・アビヨソが現れた。彼はパンダワとコラワの祖父である。彼は神に等しい聖なるパンディトである。彼は生き残った孫たちに数々の訓戒を与え、スリ・クレスノの指示に従うよう言った。なぜなら、スリ・クレスノこそがバトロ・ウィスヌの化身であり、天界スロロヨの神々ですら、スリ・クレスノに抗うことはできないからである。ブガワン・アビヨソはそのように言った。
スリ・アビヨソの訓戒を聞いたすべての孫子たちは。心安らかになった。ブガワン・アビヨソは別れを告げ、去って行った。
アルジュノはバヌワティと結婚する
アスウォトモ、カルトマルモ、クルポの森の隠れ場所が分かったとの知らせが入った。プラブ・クレスノとプラブ・プントデウォはすぐに殲滅のため軍を率いて出発した。
彼らの隠れ場所は包囲された。アスウォトモ、カルトマルモ、クルポは必死に抗戦した。アスウォトモは父、パンディト・ドゥルノが残した火の矢チュンドマニを放った。アルジュノも火矢を射返した。双方の火が燃え盛りスロロヨにまで届いた。神々は恐れ、バトロ・グルは怒った。
問題解決のためバトロ・ナロドが降下した。アルジュノはバトロ・ナロドに、彼は反撃しただけであると訴えた。アスウォトモはバトロ・ナロドに、恐ろしさのあまりチュンドマニを射ただけだと訴えた。チュンドマニは邪悪でない者を滅することはできないとも。
バトロ・ナロドはチュンドマニをアルジュノに渡すよう決定を下した。アスウォトモは陳謝した。
プラブ・クレスノはアスウォトモの陳謝を快く思わなかった。というのも、彼はスリカンディ、ポンチョウォロ、そしてドゥルストジュムノを殺していたからである。スリ・クレスノは言う。後の日に、アスウォトモの魂は地獄に落ちるであろう。故に、今は彼を殺す時ではない。スリ・クレスノによれば、アスウォトモは、まだ産まれていないパリクシト Parikesit によって死にいたるであろうという。
スリ・クレスノは言う。カルトマルモの魂は、人の汚物にたかるウジ虫に入ることになると。
クルポは、自分はただついて行っただけであると陳謝した。彼はパンディトとして生きることを許された。
プラブ・クレスノ、プラブ・ユディスティロ、そして他の王たちはアスティノ王宮に入り、デウィ・バヌワティを迎え入れた。
クルセトロの戦場にあった幕舎はすべて取り壊された。アルジュノはプラブ・スユドノの未亡人バヌワティ王妃と結婚した。
妻を深く愛していたアルジュノはチュンドマニをプラブ・ユディスティロに譲った。ついにプラブ・ユディスティロはアスティノの王となったのである。
アスティノ国は豊穣なる国となった。民衆の暮らしは満たされ、平穏と安寧に満ち満ちた。スリ・クレスノとアルジュノが平穏の護り手となった。すべての邪悪なる者は滅んだ。戦争の起こらぬため注意が払われた。民のために、そこここに住居が開かれたのである。
スリ・ユディスティロの即位の後、プラブ・ボロデウォ、プラブ・マツウォパティ、プラブ・ドゥルポド、その他の王たちは各々の国に戻った。プラブ・クレスノだけがアスティノ国に残った。
結び
アスウォトモのことや他のことなど、スリ・クレスノの言葉は現実となった。デウィ・ウタリのおなかの中にいたオンコウィジョヨの息子、アルジュノの孫ラデン・パリクシトは、大戦争バラタ・ユダ終結後の平安の中で産まれた。彼はパンダワ一族に深く愛された。
赤ん坊の頃から彼はいつも危険に晒されていた。というのも、アスウォトモが彼を探していたからである。アスウォトモは、パリクシトこそが後の日のアスティノ王となり、ジャワの王家の始祖となることを知っていたのだ。
ある日アスウォトモはカルトマルモと共に赤子のパリクシトを殺そうと謀った。赤子のパリクシトはお守りとして置かれていた矢を、無意識に蹴り上げた。矢はアスウォトモの胸に命中した。アスウォトモは死んだ。これを見たカルトマルモはすばやく逃げ出したが、ビモに見つかってしまった。ついにカルトマルモもビモの手で弊れたのである。
後の日、パリクシトはアスティノ国王となり、プラブ・クレスノディポヨノ Prabu Kresnadipayana と称した。祖父ブガワン・アビヨソがアスティノ王であった時の名を執ったのである。
バムバン・アスウォトモはパンディト・ドゥルノとビダダリのデウィ・ウィルトモの子である。そのビダダリは、バムバン・クムボヨノ(ドゥルノがまだ若く美丈夫だった頃の名)が〈海を渡らせてくれた者が女なら結婚し、男なら兄弟となるとの〉誓いを立てた時、雌馬、ペガサスの姿で彼の前に現れた。そしてロマンスがあったのだ。産まれた子は馬を意味するアスウォトモと名付けられたのである。
カルトマルモはプラブ・ダストロストロの息子で、プラブ・スユドノの弟である。彼はバニュティナランに住んでいた。
かくしてバラタ・ユダの物語は終わりを告げ、幕を閉じる。
閉幕
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