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木から落ちた猿

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ぼんくライブ(錦影絵トーク)inさばの湯@経堂

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 ボケボケの幽霊写真で申し訳ない。なんだと思われますか?
 実はこれ、錦影絵で用いる種(タネ)板と呼ばれるものである。
 錦影絵は、一種のスライド映写機を用いて演じる幻灯芝居ともいうべきものである。「風呂」と呼ばれる映写装置(錦影絵では四台用いる)、フィルムのコマのようにカラーの絵が描かれたスライド式のガラス板「種板」、そしてそれを映写する和紙のスクリーンで、ひとそろいとなる。
 風呂には電球が内蔵され、レンズが仕込まれている。種板は演目ごとになん枚かがセットになっいる。上演に際しては、四台の風呂を並べ、風呂を切り替えたり、種板をすばやくスライドさせたりして動きをつける。場合によっては、風呂をかかえて動かし、人物が歩くさまを演出したりもする。
 江戸時代後期に発展し、明治頃までは専用の小屋があるほど隆盛を極めたが、活動写真の登場に伴って、急速に衰退した。
 *錦影絵についてはここに詳しい。

 ワヤン協会の盟友にして敏腕編集者、中村伸氏からのお誘いで、昨夕(5/30)催された、「ぼんくライブ(錦影絵についてのトーク)」(於:お湯かふぇ さばのゆ 世田谷区・経堂)に行って来た。桂吉坊さんと錦影絵などを応援する「ぼんくら」プロジェクト・ライブの一環である。(出演:桂吉坊さん、ゲスト:中村伸さん、恩田えりさん)
 桂吉坊さんは故・桂吉朝さんのお弟子で、桂米朝さんの孫弟子にあたる方である。
 *桂吉坊さんのサイト
 米朝師匠がかつて、錦影絵の技術を伝承する山田健三郎氏から、その機材一式を譲り受け、以来米朝一門による上映会が開かれている。吉坊さんは桂まん我さんとともに吉朝・米左コンビの後を受け、錦影絵の上映活動をおこなっておられるのである。
 今回のライブはその錦影絵の紹介および、実演もまじえてのなかなか贅沢な催しであった。
 現存する風呂と種板は、明治後半(45年だったかな?)に製作されたもので、長年の酷使と老朽化でいよいよ使用に耐えなくなってきているとのことであった。吉坊さんは、各所に熱心に働きかけ、このたび、歌舞伎や時代劇の道具を作っている藤波小道具で風呂と種板が復元された。新品の風呂を抱えて吉坊さんもご満悦の様子であった。(とはいえ、実演の際、お古の風呂をいとおしそうに扱う姿もまた心地よい)
 藤波小道具の若手の方々四名で、この復元プロジェクトに協力なさっておられるとのこと。会場には四方もおみえになっており、お話を伺うことができた。風呂に使用する木材の選定から、ガラス絵に使用する顔料まで、試行錯誤と挑戦魂でしずかに、しかし熱く語る彼らの姿に胸が熱くなった。
 軽妙かつ真摯な語りと、センスのよい風呂さばきで、みごとな錦影絵をみせてくださった吉坊さん。応援してます。デジタルでタイムリー重視の輿論の中で、アナログでアナクロな世界を愛する人々に乾杯!
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by gatotkaca | 2011-05-31 17:39 | 影絵・ワヤン | Comments(0)