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木から落ちた猿

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ティムン・マス(金のキュウリ)のお話

 2013年2月6日(水)14;00から「深川北みずべ」(下記地図参照)でガムラン・グループ・ランバンサリによるミニ・ワヤンの公演があるそうです。
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 演目はオリジナルで、中部ジャワの民話『ティムン・マス』をもとにしたものとのこと。楽しみです。

 筆者はこのお話を良く知らなかったので、調べてみました。参考までに、ティムン・マスのお話は以下のようなものです。

 元記事はここ

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ティムン・マス TIMUN MAS(金のキュウリ)
ーー中部ジャワの民話ーー


 むかしむかし、お百姓の夫婦が、近くに森のある村に暮らしておりました。幸せでしたが、まだ子どもには恵まれていませんでした。ふたりは毎日神さまに、子どもを授けてくださるようにとお祈りしました。ある日、ひとりのラクササ(牙のはえた魔物)が彼らの家を通りかかりました。夫婦の祈りを耳にしたラクササは、キュウリの種をくれました。
 「この種を植えてごらん。そうしたら女の子が授かるぞ。」ラクササは言いました。
 「ありがとう、ラクササさん。」夫婦は言いました。
 「だが、約束しろ。その子が十七の年になったら、おれがもらっていく。」ラクササは言いました。長い間子どもに恵まれなかった夫婦は、深く考えもせず承知してしまいました。

 お百姓夫婦はキュウリの種を植え、はやく育つようにと毎日世話をしました。数ヶ月がすぎると、伸びたキュウリは黄金色に輝いてきました。キュウリはどんどん大きくなり重くなってきました。熟したころあいに、彼らは実をつみました。そっと実を切ってみると、おどろいたことに、中にはとてもきれいな女の子が入っていたのです。夫婦はとてもよろこんで、赤ちゃんにティムン・マス(金色のキュウリ)という名をつけました。
 月日がたち、ティムン・マスはとても美しい娘に成長し、両親はこの子がとても自慢でした。けれど彼らはとても心配していました。というのも、ティムン・マスの十七の誕生日には、あのラクササが戻って来てティムン・マスを連れて行ってしまうという約束だったからです。
 そしてラクササがやって来ました。
 お百姓は気を落ち着かせようとして言いました。「ちょっと待ってください。ティムン・マスは遊びにいっています。うちの奥さんを呼びに行かせますから。」お百姓は娘に会うと、「娘よ、これを持って行きなさい。」と言いながら布袋を渡しました。「これがラクササからお前を助けてくれるだろう。今はできるだけはやくお逃げ。」と言いました。ティムン・マスはいそいで逃げて行きました。
 夫婦はティムン・マスが行ってしまったので悲しみましたが、彼女をラクササの餌にするわけにはいきません。ラクササは気付かずに長いこと待っていましたが、夫婦にだまされたとわかり、彼らの小屋をぶち壊して、森の中へティムン・マスを追いかけて行きました。
 ラクササが走って追いかけてきます。だんだん追いついて来ました。ティムン・マスは布袋から塩をひとにぎり取り出しました。その塩をラクササに向けてまくと、とつぜん広い海が現れました。ラクササはあわてて泳がなければなりませんでした。
 ティムン・マスは逃げて行きます。ラクササがまた追いついて来ました。ティムン・マスは布袋からまた魔法の品を取り出します。こんどはひとにぎりの唐辛子です。唐辛子をラクササのほうへ投げました。とたんにするどいとげの枝をもった木がラクササをつかまえてしまいました。ラクササは痛くて大声をあげました。そのあいだにティムン・マスは逃げて行きます。
 でもラクササはとても強くて、またティムン.マスに追いついてきました。ティムン・マスは三つ目の魔法の品を取り出しました。それはキュウリの種でした。またたくまに大きなキュウリ畑があらわれました。ラクササはつかれはてて、お腹がすいていたので、むさぼるようにキュウリを食べはじめました。食べすぎてラクササはそのまま眠ってしまいました。
 ティムン・マスはまた逃げました。むちゅうで走ったのですが、長いこと走り続けてもうへとへとです。さらに悪いことに、ラクササが目をさましてしまいました。ラクササがまた追いついてきます。ティムン・マスはおそろしくなりました。彼女は最後の武器を投げました。それはエビのすり身でした。また奇跡が起こりました。泥の湖があらわれたのです。ラクササはそこに落ちてしまいました。ラクササの手がティムン・マスに届きそうでしたが、湖の底に引っ張られていきました。ラクササはあわてました。息ができません。とうとうラクササは沈んでいきました。
 ティムン・マスはため息をつきました。とうとう助かったのです。ティムン・マスは家に帰りました。お父さんもお母さんもティムン・マスの無事なすがたを見て喜びました。「神さま、娘を助けてくださり、ありがとうございます。」ふたりは嬉しそうに言いました。
 こうしてティムン・マスは両親との平和な暮らしをとりもどすことができました。もう怖いことはありません。幸せに暮らしました。

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 ティムン・マスの親がボ・シルニ Mbok Sirni という未亡人で、ラクササ(ジャワではブト・イジョウ Buta Ijau (緑の魔物)となっている)がむかえに来るのが、彼女が6歳になった時というヴァージョンもあるようだ(元記事)。
 ランバンサリの紹介記事曰く、出だしは「瓜子姫」で中身は「三枚のお札」とはまさしく言い得て妙で、日本でもなじみやすい感じの良い話だと思う。それにしても、ケオン・マスKeong Mas(金のカタツムリ)、バドゥル・バン・シシ・クンチョノ Bader Bang Sisik Kencono (金の鱗の赤い魚)等々ジャワの伝説・民話の世界はけっこう金ぴかなのである。
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by gatotkaca | 2013-01-29 10:07 | 影絵・ワヤン | Comments(1)